読書:「ペンギン・ハイウェイ」 は少年の夏の不思議な思い出
- 2020.01.04
- 読書
小学生の頃って、世の中が不思議な世界で溢れていたと思いませんか?
入ってはいけないと噂の場所。謎の多い人物、よくわからない物体。
今回紹介する「ペンギン・ハイウェイ」は、そんなものが多く出てくる作品です。
ペンギン・ハイウェイは2018年8月17日にアニメ映画にもなった作品だよ
ペンギン・ハイウェイのあらすじ
ある日のこと、田舎街の空き地で1匹のペンギンが現れ、クラスが大騒ぎに。
主人公のアオヤマくんは研究が好きな小学生。
何でも不思議に思った事はノートにまとめ、研究をするのが日課。
今回の事件も当然のように、親友のウチダくんとペンギンの研究をはじめます。
研究の名前は「ペンギン・ハイウェイ」。
しかし、その研究以外にもさまざまな不思議な事が起こります。
学校のクラスメイト、歯医者のおねえさんと一緒に不思議な事を研究していくことに…
著者は森見登美彦さん
日本の小説家で「太陽の塔」「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」「有頂天家族」などの作品を執筆。
アニメ化された作品も多いので「アニメは見たことあるよ」という人もいるかもしれないね。
感想:わくわくしながら読める、SFと日常と青春がミックスした不思議な話
ラストの展開がわかっているのにも関わらず、わくわくしながら読めました。
小説版を読むのは2回目となります。
きっかけは2018年の映画を見た後に小説を読みたくなり、一読したのが最後
そのため、1年半ぶりの読み返しです。
それもあり「あ、こんなシーンあったあった!」と新鮮な気分で読み返す事ができました。
物語にはさまざまな研究や仮説が出てくるのですが、その仮説も考えさせられるものばかり。その研究や仮説が突然紐づいたりするのも楽しみ方の一つです。
賢いけどおっぱいばかり考えるアオヤマくん
この作品で欠かせないのが隙あらばおっぱいの事を考えるアオヤマくん。
ユーザーからは賛否両論あり、これによって相当叩かれてもいましたね。
個人的には知的に振る舞っているけど、おっぱいばかり考えているのが面白いです。
大人ぶってるけど、ぶっているだけで子供でして。
おっぱいについても「自分はどうしておっぱいにこんなに惹かれるのか?」とあくまでも研究対象にしていたり。
人の感情を読むのが苦手だったり、スズキくんには喧嘩では勝てなかったり、
彼は知的だが、万能な人間ではないのが良いですね。
おねえさんについて
小学生のアオヤマくんには憧れの存在であり、大人というものであり、大好きなんだなというのがよく描かれていました。
この物語での重要な人物になってきます。
映画版について
1年半前に見たのでうろ覚えですが、小説では伝わらないペンギンの可愛さや、SF的な表現は、映画版の方がしっかり伝わっていました。
小説版はおねえさんの表現が多いのですが、その雰囲気も崩していません。
映画で見るもおすすめしたいです。
ペンギンハイウェイの小説はこちら
ペンギン・ハイウェイの映画はこちら
2019/1/4 現在、Netflix、Amazon Primeで見る事ができるようです!
その他ペンギン・ハイウェイ関連はこちら
さてさて、これから先はネタバレを含む感想を書きます。
ネタバレを含む感想
※ここからネタバレを含む感想も書いていきます。
海とは何だったのか?
おねえさんとは何だったのか?
ペンギンは何だったのか?
全てが謎を残したまま終わるのも、好きですね。
■ハマモトさんについて
海の研究をしているハマモトさん。
アオヤマくんとは少しずつ仲良くなっていきますが、元々アオヤマくんの事が好きだったかもしれません。
だからこそおねえさんについては敵対心をもっていますし、おねえさんの話をされると不機嫌になります。
海についての研究は3人の秘密となりますが、元々彼女1人の研究でした。
そんな研究を続けていたハマモトさんからの視点。彼女からのアオヤマくんやおねえさん、ウチダくん、スズキくんに関する感情も見てみたいと思いました。
■小説だけにある仮説の話
ウチダくんの人の死に関する仮説
ざっくりいうと「人間、それぞれが生きている世界が一緒なことを証明することはできない」という話(詳しくは小説の262Pを読んでほしい)。
最後にアオヤマくんの前からおねえさんは消えてしまったが、おねえさんは消えたかを証明することはできない。そうなると、おねえさんとアオヤマくんはまた会うことはできるかもしれない。
それを含めて「僕の仮説は間違ってるかもしれない」ということを言っているあたり、今後彼はおねえさんに関する研究を続けるかもしれません。
私としてはアオヤマくんには将来もワームホールなどの研究を続けてほしいなと願ってしまう。
アオヤマくんにはアオヤマくんの夢を追いかけてほしいなと小説ながら考えていました。
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